ワーキングマザーにとって、転職タイミングは悩みの種です。 子供が小さいうちは時間がないけれど、子供が手を離れるころには自分も年を重ねています。
そこで今回、実際に末子が何歳の時に転職をしたママたちが多いかと、年齢別にどのような転職をしているのかを徹底調査しました。
子供の年齢別転職タイミング調査
4,400人の子供がいる女性に、インターネット上で調査を行った結果、転職活動を行ったママの年齢分布は以下の通りでした。子持ちのワーママの転職時期には3つのピークがあり、 1回目は「2歳~3歳」の時、次が「小学校入学直前(5-6歳)」その次が「小学校3年生」となりました。

それぞれのタイミングで、なぜ転職活動をするママが増えるのか、またどのような転職をする傾向が強いのか、早速調査結果を見ていきましょう。
子が2~3歳のタイミングの転職傾向(平均年齢34歳)
子供が2~3歳のタイミングに転職活動をするワーママが増える理由は以下です。
- 保育園に通って1年以上経ち、風邪で休むことが減る
- 夜泣きが落ち着き親の体力に余裕が出る
- 離乳食が終わり家事の負担が減る
仕事復帰して1年も経つと、仕事と育児を両立するための希望条件が定まってきます。そのタイミングで手一杯だった育児が少し落ち着き、環境の見直しを進める方が増えるのです。
転職内容の傾向を見ていくと、子供が2~3歳で転職したママたちは、時短に切り替える方が増えます。

また、人手に余裕があり働き方の融通が利く中規模以上の企業に転職する方が多くなります。51~300人規模の会社に転職する方が多いのは、積極採用をする成長ベンチャーの求人が増えていることが一つの要因と考えられます。

そして、驚くことに子供が2~3歳のタイミングで転職するワーママの約70%が、別職種への転職を実現しており、その選択肢も実に様々です。事務、経理、人事・総務のようなバックオフィスのみではなく、保育士やIT系の専門職などのジョブチェンジを選ぶ方もおり、この時期に大きなキャリアの見直しをするママが多いのです。

まとめると、子供が2~3歳のタイミングのワーママたちは、企業規模・勤務時間などの条件を重視しながら、職種転換をしている方が多いです。
別職種への転職のコツは、前職の経験の中で他職種に生かせるキャリアを棚卸することです。AIも普及し始め、様々な職種の参入障壁が下がっている背景も踏まえると、今後益々選択肢は増えていくでしょう。自分の可能性を壁打ちしたい方は、転職エージェントやキャリアスクールの無料面談などで、多くの求職者を見てきたプロのアドバイスを受けることをお勧めします。
子育て中のワーママ135人に聞いた『おすすめ転職エージェント』ランキング
子が小学校入学直前のタイミングの転職傾向(平均年齢38歳)
子供が小学校入学前(5歳~6歳)のタイミングに転職するママたちは2パターンです。
1パターン目はいわゆる「小1の壁」を見据えて、リモート・フレックス・小学生以降も時短可などの柔軟な労働環境のある会社や職種に移るケースです。
もう1つは、子供の手が離れ始め本格的に仕事復帰をするケースで、専業主婦からの復職もこの時期に増え始めます。
特に小1の夏までは、親子ともに小学校生活に慣れるのが大変なため、その前に転職を済ませておこうと動くワーママが増えるのです。
子供が小学校入学直前(5歳~6歳)の転職は、子供が2~3歳のワーママと違い、フルタイムへの転職が多くなります。これは時短制度の対象を未就学児までとしている企業が多いことも影響しており、必ずしもワーママたちが本格復帰を望んだ結果とは言えません。

職種の変化で見ると、総合職からバックオフィスに変更するケースが最多で、特に人数の多い営業職に就く女性の半数が内勤の仕事に転職しています。多くのワーママが事務・アシスタント職に転換していることからも、ハードで予測不可能な仕事を避け、決まった時間で安定して働くことを重視している方が多いことがわかりました。

子供が小学校入学を控えるママたちは、乳幼児のママたち以上に大規模の企業を選ぶ傾向が強く、100人以上の企業への転職が半数を超えます。これは、企業規模が100人以上になると、組織や制度が安定していることが影響していると考えます。
子供が大きな環境の変化を迎える中、できるだけ安定した環境・仕事を選ぶというママが多い様子が見てとれます。

子が小学3年生のタイミングの転職傾向(平均年齢41歳)
子供が小学校3年生になると、一人で友達と遊びに行ったり、習い事に行くこともできるようになり、親の物理的な負担が軽減します。
この時期のワーママたちは制約が減り、再度キャリアアップを目指したり、心から好きになれる職場や仕事を探す方が増えてきます。リモートよりも出社勤務を希望する人が増えるのもここからです。
この年代のワーママの転職は、価値観によって非常に様々です。働く時間もフルタイム・シフト制・時短にばらけており、企業規模も20人以下の小規模企業から、300人以上の大企業まで多岐に渡ります。


子供が小3のタイミングで転職するママたちは、アシスタント職から総合職への転換、特に「経理」「人事・総務」への職種転換が目立ちます。
「経理」「人事・総務」は全年代共通してワーママのジョブチェンジの成功例が多く、特に家庭と仕事を両立してきたワーキングマザーの経験が評価されやすい領域と言えるでしょう。

小学校中学年のお子さんを持つママとお話すると、給与やポジションを求めキャリアアップを本気で目指される方もいれば、好きな会社や社会貢献を誇れる会社で、長くやりがいをもって働きたいという方もいます。人や世間の物差しを気にせず、自分軸で仕事探しをされている方がより多くなるように感じます。
子持ちワーママの転職タイミングの見極め方
ここまで子持ちのワーキングマザーが転職しやすい3つのタイミングを紹介してきました。一方で、実際には様々な事情が重なり転職タイミングを選べないことも多々あります。筆者も直近の転職は末子が0歳の時でした。
この章では、子の年齢に関わらず、ワーママが転職タイミングを見極めるためのチェックポイントを紹介します。
自分の年齢

子供の年齢以上に気にすべきは、自分自身の年齢です。 なぜなら書類選考やスカウトでの年齢の絞り込みは避けられず、見られるのは言うまでもなく自分の年齢だからです。
高齢化やジョブ型雇用の浸透で、年々転職者の年齢は上がり、35歳限界説は薄れてきいます。それでも2024年に実施されたdodaの調査では転職成功者の7割は34歳以下という結果が出ているのが事実です。
特に30歳・35歳・40歳といった節目の年齢が近い方は、スカウトサービス等の転職サイトへの登録は節目の年齢に到達する前に済ませておきましょう。中にはビズリーチなど登録に審査があるものもあるため、年齢と経歴次第でサービスの利用自体が難しくなる可能性も出てきます。
配偶者の仕事の状況

子育て中の家庭で夫婦の転職時期や仕事の変化が重なると、調整が非常に大変になります。転職を考えている時期を事前に伝え合い、お互いに協力し合えるよう話し合いましょう。
子供の体調不良と志望度の高い企業の選考が重なった日はパートナーに代わりに対応してもらう調整などができていると、精神的に安定して転職活動を送ることができます。
ライフプラン
家族がいると、出産・入園・入学・引越し等、大きな環境の変化が定期的に訪れます。そしてこれらの変化と転職が重なると家族全員が大変な思いをすることになります。
大きな環境の変化がある時期を見越しておき、できるだけ無理のない計画を立てるようにしましょう。私自身、自分の転職と、引越し、子供の転園が重なり、思い出したくないような経験をしました。いざとなれば実現できなくはないですが、夫婦ともに精神がすり減り、喧嘩も多くなってしまうため、ずらせるのであればずらすことをお勧めします。
こうした情報を整理してパートナーと話す上で、以下のように親の年齢、子の年齢、ライフプラン、キャリアプランを書き出すこともお勧めできます。内容はざっくりで、決まっていない部分は空白でも、話し合いが大分しやすくなります。

いかがでしたでしょうか。 ワーママたちが転職を選択するタイミングには傾向がありますが、最終的には自分が何を望んでいるかでいつ、どのような転職をするか選んで良いと思います。子育ての後も人生は続くことを忘れず、ぜひ納得のいくタイミングで転職を考えてくださいね。
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