【保存版】働く女性のキャリアプランの考え方|20代・30代・40代の年代別成功のヒント

女性のキャリア

ライフステージの変化が大きい女性にとって、10年先・20年先を見据えた「キャリアプラン」は永遠のテーマです。HR tableの調査でも、女性の悩みのトップ2は「自分に合った仕事や働き方」「今後のキャリアプラン」となっており、多くの女性が“この先どんな仕事を、どんな働き方で続けていくか”に迷っています

また、20代・30代・40代では、直面する悩みもその解決の手段も異なります。 本記事では、キャリアプランの描き方と、年代ごとに実現のために取り組むべきポイントを整理してご紹介します。

キャリアプランが思いつかない理由と対処法

女性がキャリアプランが思いつかないと行き詰まる理由は大きく3つあります。

①ゴールがない

最も多いのは「何かが理想と違う」と漠然と悩み続けているケースです。 旅行で目的地がなければ計画を立てられないように、キャリアも向かう方向性がなければプランを描くことはできません

対処法は、業界・職種・ポジション・待遇など、目指したい状態を一つでも言語化していくことです。キャリアプランを実現する最初の一歩は「ここではないどこか」ではなく「自分が行きたい場所」を明確にすることからはじまります。

目指したい状態が思いつかない場合は、まず現状の何に不満を感じているかを書き出してみましょう。その上で、その不満が軽減された環境はどのような場所かを考えたり、自分の価値観を見直す自己理解に時間を使うことも有効です。

②理想はあるが実現方法がわからない

次に多い悩みが、「理想のゴールは描けたけれど、そこに至る道筋がわからない」というものです。そんなときは、次の3つのステップを意識してみましょう。

  1. 逆算する ゴールから逆算して、必要なスキル・経験をリストアップしましょう。
  2. 小さな行動に分解する 「資格を取る」「経験を積む」など、大きな目標を小さな行動単位に落とし込むことで実行可能になります。
  3. 相談する 一人で考えるのではなく、先輩や専門家に相談し、実際のキャリア事例を参考にしましょう。

それでも一向に実現が進まないと感じ挫折してしまう場合、大抵一気にすべての理想を叶えようとしてしまうことが原因です。理想が高ければ高いほど、階段を昇るように、一歩ずつステップを重ねていくことが必要です。

③ライフステージの変化に対する不安

3つ目の課題は、ライフステージの変化に伴う不安です。 結婚や出産といった変化の真っ只中にいる人もいれば、将来に漠然とした不安を抱えて動けずにいる人もいます。

ここで大切なのは「問題の切り分け」です。 ライフステージが変わっても、キャリアプランを諦める必要はないのです。 ただし一時的に「時間・場所・休暇など、働き方の調整」が必要になる場面があります。

次の2つを意識して準備しておくことがポイントです。

  • ライフステージごとに必要な働き方・制度を把握する
    現在の会社に制度があるか確認しましょう。制度がなかったり、利用するとやりたい仕事への復帰が難しい場合は、制度とやりたいことを両立できる会社への転職も検討しましょう。
  • キャリアプランに、家庭を理由に「緩められる」期間を組み込む
    家庭の制約が発生した場合、常に全力疾走は現実的ではありません。スーパーウーマンのように毎日5時代に起きて完璧にこなすのは大変ですので、現実的には無理のないペースが大切です。1年で達成できない目標も、5年かければ十分可能です。ペースを緩めて無理なく続ける期間をあらかじめ読み込んでおきましょう。

ワーキングマザーになった場合にあると良い会社の制度については下記の記事でも紹介しています。
【転職前に要チェック】ワーママに人気の勤務条件トップ5

キャリアプランが思いつかないのは「能力がないから」ではなく、選択肢や情報の整理ができていないだけです。小さくても一歩踏み出せる工夫を取り入れれば、次第に「自分のキャリアの軸」が見えてきます。

キャリアプラン(計画)の立て方

続いてキャリアプランの具体的な立て方を説明します。

成功率が高い計画を描くコツは、立てた目標を分解し、すぐに実行にうつせる行動まで落とし込み、スケジュール化することです。

例えば「海外で働きたい」という目標があれば、下記のように行動まで落とし込む必要があります。 「半年後に海外で働く」と考えるとどうしたら良いかわかりませんが、「必要な行動」に書かれている「海外留学後現地就職した人のブログやYoutubeを確認する」なら今週末にもできそうに思えませんか?

分解した行動ごとに、中間目標の達成にかかる期間を見積もり、スケジュール化しましょう。 こうすることで、いつどの中間目標を達成し、最終的にいつ大きな目標に到達するかの計画が見えてきます。

【年代別】キャリアプランの実現確率を上げるためにできること

キャリアプランを立てたら、あとは実行するだけです。

しかし、成功の確率を高めるには、キャリアプランとは別に年代に応じた取り組みが必要です。20代と同じ方法を30代で続けることはできませんし、40代ではさらに別の工夫が求められます。

この章では、キャリアプランを成功に導くために、20代・30代・40代それぞれの年代で意識すべきポイントを紹介します。まだやりたいことが決まっていない人も、将来やりたいことが見えたときにすぐ行動できるよう、今から準備できる内容です。

20代|「選ばれる力」と「選ぶ知識」の土台をつくる時期

20代は、キャリアの基盤を固める大切な時期です。選択肢が多く試行錯誤できるこの年代だからこそ、経験の幅を広げ、学びの習慣を身につけることが重要です。 これによって、自分でキャリアを選べる知識と、選んだキャリアに必要とされる力の両方を手に入れることができます。

「選ばれる力」(社会人基礎力・経験値・希少性)の身に付け方

20代のうちは、会社や部署、職種の配属が必ずしも希望通りになるとは限りません。しかし、どんな仕事であっても 「希望するキャリアに選ばれる力」=採用や異動で評価される力 を磨くことはできます。ここでは、そのために必要な 3つの力具体的な身につけ方 を紹介します。

①社会人基礎力

若いうちは、どんな職種でもスタートは未経験です。その際に重視されるのが「コミュニケーション能力」「成長意欲」「ビジネスマナー」といったビジネス基礎力。これは未経験者採用で最も評価される能力であり、どの業界・どの職種で働いていても身に付けられる力です。

(出典)学情 業界・職種未経験者の採用で重視するポイントは「人柄・社風との相性」が8割近く。評価する能力では、9割の企業が「コミュニケーション能力」をあげる

これらの力を伸ばす方法は3つです。

  • 実践
    コミュニケーションやマナーは、数をこなす中で多くの失敗をして身に付きます。実践の機会を臆せず積極的に取りに行くことで必ずよくなります。
  • フィードバック
    先輩に囲まれて学べる若手時代は、率直なフィードバックをもらえる貴重な期間です。 実践のたびに、近くで見守っていた先輩や上司に「良かった点」と「改善点」を積極的に聞き、フィードバックを実践に活かす実験を繰り返しましょう。
  • 書籍や座学での補完
    社内での学びに加えて社外の標準も知りに行くようにしましょう。ビジネス書やセミナーを活用して自己投資を重ね、レベルを引き上げる機会を増やしましょう。

②経験値を積む

20代は失敗しても取り戻しがきく年代です。また、家庭の制約が少なく思い切ったチャレンジがしやすい貴重な期間です。与えられた仕事に全力で取り組むのはもちろん、できるだけ多くのプロジェクトや役割に挑戦しましょう。

  • 部署異動やジョブローテーションを積極的に希望する
  • 海外研修や社外活動にチャレンジする
  • 苦手分野にもトライしてみる

20代で積んだ経験の引き出しは、長いキャリアの中で必ず何度も自分を助けてくれます。さらに、たとえ短期間であっても「やったことがある」経験は強みとなり、キャリアのアドバンテージになっていきます。

③希少性(強みをとがらせる)

さらにキラリと光るものを身に付けるためには、強みを周囲より際立たせることが大切です。 強みは難しいものでなくてもよく、「業界知識がある」「資料作成が得意」といったことでも十分です。日々の仕事で得意分野を磨き、成果につなげていきましょう

得意な仕事を積極的に引き受けることで、「この分野なら〇〇さん」と周囲に認識され、専門性を持つ人材として評価されるようになります

こうして存在感を高めれば、社内外から一目置かれ、転職でも有利になり、希望するキャリアに近づきやすくなります。

選ぶ力(知識・経済力・人との繋がり)の身に付け方

選ばれるスキルが身に付いても、自ら能動的に選び取る力がなければ望むキャリアを手に入れることはできません。

①キャリアの知識を増やす

業界や職種、経済に関する知識があるほど、キャリアの選択肢は広がります。こうした知識は、「業界マップ」や「職種図鑑」といった就活向けの書籍を読んだり、ニュースや株式市場で注目される企業やその採用情報をチェックしたりすることで、少しずつ深めていけます。

最初は理解しづらくても、自分の会社や仕事が社会の中でどんな位置づけにあり、どんな影響を持っているのかがわかってくると、不思議と世の中の情報が自分ごととして感じられるようになります。

最近では「自分に合った仕事」を見つけるためのカウンセリングサービスや、ロールモデルとなる女性に話を聞ける個人間の相談サービスも豊富にあるため、積極的に活用してみましょう。

②余裕資金をもつ

いざという時に仕事を休んだり辞めたりしても困らないよう、給与3か月分ほどの余裕資金を持っておきましょう。

「この仕事を辞めたら生活できない」と思うと判断力が鈍ります。逆に「いつでも辞められるが、自分の意志で働いている」というスタンスを持てれば、仕事にも転職活動にも落ち着いて取り組めます。さらに、まとまった資金があれば、ビジネススクールやキャリア講座でスキルを学ぶなど、新たな選択肢も広がります。

③信頼できる人との繋がり

長年働いて感じるのは、職場で築いた人間関係が、意外にも将来の転職やキャリア形成に役立つということです。 通常では縁がなかったり、書類選考で通らない企業でも、かつて一緒に働いた人がいる会社とは、思わぬ形でつながることがあります。また、仕事の評判は意外なところまで伝わります。目の前の仕事に真摯に取り組むことが、人の評判を通して将来的なキャリア形成につながることが少なくないと知っておきましょう。

30代|キャリアを“狙い・コントロールする”時期

30代は20代で積んだ経験を基に、キャリアを広げるか、専門性を深めるかを選ぶタイミングです。未経験分野への挑戦も充分可能な期間です。また、ライフイベントが重なりやすい年代であるため「働き方と生活のバランス」を意識することも重要になります。

① 強みを明確にする

30代は、自分が何者で、何に強みを持っているのかを明確に示す時期です。

  • 専門職志向の場合
    知識や技術をさらに深め、市場価値を高めましょう。加えて、情報発信や若手の教育などの役割も積極的に引き受けると、自分の存在感が高まります。
  • マネジメント志向の場合
    リーダー経験を積み、チームで成果を上げる力や、人材育成・採用要件の策定ができるスキルを磨くことで、より大きな組織を任されやすくなります。

どちらかの道を極めた結果、40代で逆の方向に進む可能性もあります。しかし、30代は「周囲から見て何を任せられる人か」が明確であることが、キャリアのチャンスを広げる上で不可欠です。「なんとなく色々できる人」では、あちこちに仕事を割り振られ、方向性が定まらないまま多忙になりがちです。自分の強みを打ち出し、強みに合った仕事を引き受けることに注力しましょう。

② 働き方をコントロールする

30代からのキャリアは持久戦です。がむしゃらに働き成果を出そうとすると時間はいくらあっても足りなくなりますし、最速で成果を出した先にやりたいことがなければ、燃え尽きてしまうリスクも上がります。

  • 働き方の柔軟性を確保する
    リモートワーク、フレックス、副業、リスキリングなどで働き方に柔軟性を取り入れましょう。時間的な余裕や柔軟性をもつことで、ライフステージの変化に対応しやすくなります。
  • 戦略的に休む
    「サバティカル休暇」という言葉をご存じでしょうか。これは、仕事を離れて自分の人生やキャリアの方向性をじっくり考えるための長期休暇のことです。キャリアを考えるうえでは、息抜きや立ち止まって考える時間も欠かせません。会社の長期休暇制度を活用したり、転職時に入社月を調整したりして、意図的に思考の時間を確保することが大切です。 こうした時間は、目先の仕事に全力で取り組むこと以上に、長期的なキャリア形成において大きな「投資」になることも少なくありません
  • ペースをコントロールする
    制度や休暇を活用し、ライフステージに合わせて働き方を能動的にコントロールできる状態を整えていきましょう。30代は家庭や社会の責任が増える時期のため、急なキャリアアップよりもペースを調整しながら緩やかに成長する方がバランスを取りやすいです。目標が定まっていれば、ゆっくりでも確実に前進できますし、働き方を自分で調整する経験自体がキャリアの進展となり、後輩を助ける力にもつながります。

③長期キャリアの方向性を決める

30代は、キャリアの後半30年を見据える必要がでてきます。 40代以降の転職ハードルは上がるため、キャリアの後半戦に向けた転職をするとしたら今が考え時です。10年先にやってみたい仕事や目指したいキャリアがあり、その準備が必要なのであれば、その準備期間をとるのも今になるでしょう。

④ 「自分の価値観」をもつ

30代はキャリアの踊り場になりやすく、行き詰まりや停滞感を感じる人が多くなります。 30代以降はポストも限られていき、昇進や昇格だけを基準に頑張るには限界が来るでしょう。 そのため30代以降のキャリアに必要なのは、他人軸よりも自分軸の成長なのです。

  • 自分なりの評価基準を持つ

今いる会社の評価は、狭い世界の物差しであることを客観視しましょう。その上で、自分自身の物差しと優先順位を明確にし、他人の意見に振り回されない芯の強さを持つ必要が出てきます。

  • 自分に合った環境を探す

自分軸を持ったうえで、「明らかに自分の価値観と合わない環境にいる」と気づいた場合、それは環境を変えるサインかもしれません。思い切って転職を考えることも考えましょう。いきなり転職が難しい場合は、まずキャリアカウンセリングや副業などからスタートして、自分で環境を選び取る習慣を少しずつ身につけていくと一歩ずつ前進することができます。

キャリアカウンセラーの記事

⑤量より質の人間関係を大切にする

30代以降は、仕事や家庭などで割ける時間が限られてくるため、人付き合いに使える時間も自然と減っていきます。だからこそ、尊敬できる上司や専門家、同じ志を持つ仲間との関係は、細くても長く、大切に育てていくことが重要です。こうした関係性は、キャリアのターニングポイントで必ず力を発揮します。


40代|経験を武器に“次のステージ”を描く

40代は、これまで培ってきた経験や人脈が大きな財産となる年代です。仕事よりプライベートを重視してきた人は、成熟した趣味が思わぬ形で花開き、大成につながることもあります。 この時期は「積み上げてきたものをどう活かすか」を明確にすることで、大きなやりがいを見出せます。

① 強みの棚卸しをする

仕事やプライベートで培ったスキル、成果、経験などを洗い出しましょう。 特に40代は「自分では当たり前にできること」が周囲から見ると真似できない強みであることもよくあります。

  • 自分にしかできない仕事は何か
  • 人に教えられるスキルは何か

こうした棚卸しは、転職・昇進・独立のいずれの道に進む上でも重要な基盤になります。

② “第二の専門性”を持つ

40代は「今までの専門性 × 新しい知識やスキル」の掛け算が大きな強みになります。
例:営業経験 × データ分析、マーケティング × デジタル知識、管理職経験 × コーチング力 など。
強みや興味を書けあわせて、自分だけの領域を開拓していきましょう。

③ 人脈を育て直す

20代・30代で築いた人脈に加え、40代からは「次のステージで一緒に仕事をする可能性がある人」との接点を意識的に増やすことが重要です。

  • 同業他社や異業種の勉強会
  • OB・OGとのネットワーク再開
  • 社外コミュニティやNPO活動

特に同年代の中には同じように仲間を探している人も多く、こうした人脈は転職や独立に大いに役立ちます。

④ 健康と学びに投資する

キャリアを長く続けるためには体力・健康が不可欠です。 加えて、40代は学び直し(リスキリング)が効果を発揮しやすい年代でもあります。MBAをはじめとした大学院や専門資格の取得、ビジネス講座の受講など、自分に合った方法で知識をアップデートしましょう。

⑤ キャリアの“出口”も見据える

40代はまだバリバリの現役ですが、同時に50代・60代の働き方を考え始める時期でもあります。「定年後も働きたいか」「どんな仕事を続けたいか」「どこで暮らしたいか」といった問いに向き合うことで、将来のイメージが明確になります。中長期のビジョンを描いておけば、この先のキャリアプランも柔軟に調整していけるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

キャリアプランは「ここではないどこか」ではなく、「向かいたい方向性」のゴールを設定することから始まります。また、ゴールを設定し計画を進める上では、自己理解も欠かせません

その上で、中長期的にプランの実現確率を高めるには、20代・30代・40代それぞれの年代で取り組むべきこと、身につけるべき力があります。

  • 20代:選択肢を知り、選ばれる力を伸ばす
  • 30代:キャリアの狙いを定め、コントロールする
  • 40代:これまでの経験を活かし、出口を描く

キャリアプランと並行して、年代別に必要な取り組みを進めることで、自分自身でキャリアを実現する力に加え、周囲からの支援も受けやすくなるでしょう。

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